いずれ あやめか かきつばた。
意味:どちらも優れていて、選択に困ること。
皆さま、こんばんは。
「植物の窓」の時間がやってまいりました。
今週のテーマは「見分けのつきにくい季節の花」です。
第一夜は、これからが季節の「菖蒲と杜若」。
ここで言う「菖蒲」とはショウブでは無く、アヤメのこと。
諺にもある様に、アヤメとカキツバタの花はよく似ています。
ところがよく似ている花は、この二つだけではありません。
もう一つ、花菖蒲/ハナショウブというのがあります。
アヤメもショウブも漢字では「菖蒲」と書きますが、実は別もの。
紛らわしいことに。
五月の節句の菖蒲湯に入れる「菖蒲/ショウブ」は、
花のアヤメや、花菖蒲とは、まったく科も異なる別種です。
(サトイモ科/花は黄色房状の穀類っぽいもの)
よって、花として見た目が類似しているのは、
・アヤメ(菖蒲)
・カキツバタ(杜若)
・ハナショウブ(花菖蒲)
この三つということになります。どれもアヤメ科アヤメ属。
で、上の写真は、…アヤメです。
どうやって見分けるのかですって?
1 : 植生地。
2 : 植物の丈および花の大きさ。
3 : 花弁の付け根の色や文様。
他にも、咲く時期が微妙にずれていたり、
葉の葉脈が目立つ目立たないなど。
・アヤメ(菖蒲)
1 : 陸地 2 : 小(草丈30〜60cm) 3 :網目文様。五月上旬。
・カキツバタ(杜若)
1 : 水辺 2 : 中(草丈50〜70cm) 3 : 白。五月中下旬。
・ハナショウブ(花菖蒲)
1 : 陸地/水辺 2 : 大(草丈80〜100cm) 3 : 黄。五月下旬。
つまり民家の軒先や公園など乾いた土地で咲いていて、
デカければハナショウブ。小さければそれはアヤメ。
水辺の近く湿地で咲いているものの多くはカキツバタ。
デカくて花弁の中心が黄色いものがあれば、ハナショウブです。
上の写真の花は雨で濡れてますが咲いていたのは住宅地の路地。
草丈は高い部分で1m近くあり、第一印象は「デカっ」でした。
花弁の根元は…しっかり編み目模様に見えるけどなあ…
黄色も入っているので、もしかしてハナショウブ!?
でもこの黄色って花弁の色というよりはフワフワ部分よね。
…って、このフワフワ部分ってなんだ?
……。
はっ。いかんいかん、これじゃ結論が出ん。
やはり時期的にも、これはデカいアヤメじゃないか。
うん。アヤメってことで。
さて。
次回の「見分けのつきにくい季節の花」は「牡丹と芍薬」。
えーと、それか「ツツジとサツキ」。
え?あやふやで信用ならないって?
まあまあ、
ま、まあまあまあ。