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翔 ぶ 魚

omifish.exblog.jp

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大晦日

おお、
おそろしいことに、もう年末だ。
やり忘れるところだったよ。あぶないあぶない。
今シーズンの初雪予想…

ドロロロロロロ…ジャン!

一月三日…。

by omifish | 2010-12-31 03:40 | white>black

なめこスイッチ

年の頃は三つくらいだろうか。
幼い女の子が、スーパーの青果売り場で固まっている。
母親は離れた所にいるのか、一人で立っている。
彼女の真剣な目線の先にあるものは、
山積みにされた、なめこのビニールパック。

こちらは、隣りの大根売り場で
そんな彼女を何とはなしに横目で眺めていたのだ。

幼子は、無表情なまま、
おもむろにそのちいさな手をのばし、
人指し指でプニっとなめこのパックの表面を押した。
…無表情。
一度手を引っ込める。
そして少しの間をあけ、またすうっと手をのばし、
今度はそのちいさな手指全部をつかって、
パックの一つをムニリと握りしめた。
…瞬間、
ぱあっと彼女の目が見開かれた。
本当に「ぱあっ」という効果音が鳴ったかのようだった。
両眉がくうっと引き上がり、
頬が見る見るうちにゆるみ、赤み差す。
鼻の下がのびて、口は完全な「ほ」の字だ。
そして、その悦楽の表情のまま、
むっきゅむっきゅと一心不乱に
なめこのパックを握りしめはじめたのだ。

おおお。
たった今、
君は、なにか人生初のスイッチが入っちゃったんだね。
ワタシは、君の人生の、
とても重要な初体験の瞬間に立ち会ってしまったのだね。
なんというか、微笑ましいというよりは、
貴重ないいもの見たという感動すら覚えた。

うんうん。
思う存分握りしめればいいじゃない。
お嬢ちゃん、それが、なめこの感触というものだよ。
さぞや、楽しく、気持ちよかろうて。
…眺めるワタシも菩薩の笑みを浮かべていたに違いない。
よしよし。
でもね、お嬢ちゃん、
その握りしめまくったなめこのパックは、
出来ればママに買い取ってもらいなさいね。

生暖かく見守ったのち、そっとその場を去った。

大根を買ってくるのを忘れた。





by omifish | 2010-12-02 18:15 | white>black