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翔 ぶ 魚

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スマートじゃない読書術

く、苦しかった。
珈琲店での読書。

買った本をねかせておけないので、
会計をすませて本屋から出たらすぐに読み始める。
我ながらスマートじゃない。

ひとりで泣いたり笑ったりする際には
一応声を出さぬように耐える分別は、ある。
だが読書の方を中断するこらえ性は、無い。
必然的にひくひくと躍動する横隔膜との闘いになる。
これが苦しい。

涙はまだいい。垂れ流しときゃ。
音さえたてなきゃ、
誰もこっちなんか見ちゃいないんだし。
ハナまで出てくるとさすがにやっかいだが、
静かにハンカチで拭ってりゃOK。

問題は笑いだ。
一度ツボにはまってしまうともういけない。
葬式での笑いじゃないが、抑圧されればされるほど、
肩の震えは止まらなくなる。

いかん、いかん。
となりのカップルの女子が訝しげに見てるぞ!

しかし読書は止まらない。
そんなとき君はどうする。
わたしはね、読みすすめていて
地雷ポイントの気配が濃厚になってくると
意識的に目の焦点を甘くしてボヤかしたりする。
文字の判読性を自分で下げるわけよ。
ふんわりと行間の余白をつたって数行とばしたり。
なんじゃそら。
これはですね、
衝撃を曖昧にして大惨事を避けようという作戦なわけ。

そうまでして読み続ける意味あるのか?
だいたいそれ、ちゃんと読めてねえし!
一旦本を置け!
せっかくの本とのファーストインプレッションなのに、
肝心のクライマックスを流し読みしてしまうという。
もったいないこと甚だしい。
ほんとすいません。

買っただけで安心しちゃって
手を付けてない本がいっぱいあるの
などという人に会うと、心から感心する。
ええ、ええ、分かります。とか神妙に頷きながら、
内心では、おっとな〜と思っている。

帰り道は本を閉じててくてく歩く。
周りの風景は目ん玉の表面をつるりつるりと
流れていくばかりで、
なんにも中に入ってこない。
あ、また涙。

花粉症だから。

by omifish | 2012-02-14 18:53 | white>black
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