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翔 ぶ 魚

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構造として見る


さて、セミの腹である。
夕立の中、我が家の網戸に緊急避難中のセミ。


構造として見る_a0040963_18231169.jpg


セミって思いのほかデカイ。
うへとか言いつつ至近で見る。好きじゃないのに見る。
メカニカルな造形だよねえ。
金属だと思えば、こういうメカだと思えば、
この精巧さはグロいというよりスゴいよね。
とか思いながら、見る。
それは、どこか乾いた視線だ。

これってどうして見てしまうんだろうかと、考えてみた。

A.きゃ、やらしい!と恥じらいつつ、
指の間からAVに興味津々の女子の心理。
つまり、いやよいやよも好きの内。

B.うげっ、気持ち悪い!とか言いつつ、
指の間からスプラッタシーンを見てしまう心理。
つまり、怖いもの見たさ。

好奇心という共通点はあるが、
どちらも微妙に違うような気がする。
過去に経験したこれに近い視点はといえば、
自分の足を縫っている時にそれを眺めていた視点だ。

自転車の後輪に、裸足のかかとを巻きこまれ、
出っぱり部分が丸ごとぶらーんとなってしまった。
部分麻酔で16針縫ったのだが、その手術中の光景が、
上の照明に映っていて丸見えだったのだ。
だから、見た。不思議な感覚だった。

これは、Bの視点とは異なるものだ。

今でも注射針を刺される時はじっと見ている。
抜歯したあとの口中の穴もじっと観察する。
むしろ、客観視して冷静さを保とうとする現実逃避?

これが他人の血やケガだど、見るのも聞くのもダメだ。
それはその痛みを感じているのが自分ではないからだ。
その痛みを想像してしまい気が遠くなるのだ。
想像の痛みには限界がない。果てしなく、そこが怖い。

虫も映像として捕らえるとグロっ!てなるけれど、
こういう構造なのか、という視点で見ると、興味深い。
この腹部分、キモいけど…
この蛇腹構造にあそびはどの程度あるんだろう。
マックスに開いたら…ど、どうなっちゃうの?!
とかって、観察するのだ。

つまり、AでもBでもなく、第3の観察者の目だ。

観察対象としては、虫の構造は見どころ満載なのだ。
だって、あれ、メカだよね。ほぼ。
羽根は美術工芸品だし。

自分の中にある怖いもの、嫌いなものは、
事象や構造の観察という視点で見ればいいと思うよ。
むしろ苦手なものこそ、構造の詳細を見るのだ。
敵を知ることにもなるしね。
ま、キモイものはキモイし、苦手は苦手なんだけど。
別に好きになる必要はないわけだし。


※画像がピンボケなのは配慮です。




by omifish | 2013-07-26 19:57 | 路上のいきもの
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