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翔 ぶ 魚

omifish.exblog.jp

不惑


戦国武将に例えるなら織田信長。

いきなりな大物宣言で恐縮です。

いやいや、器じゃなくて気性の話です。
あの「鳴かぬなら…」ってやつ。
鳴かせてみせよう。秀吉
鳴くまで待とう。家康

で、信長は「殺してしまえホトトギス」
…物騒な例えで申し訳ない。

しかし、わたしにはその続きがある。

手ずから墓を作る。

そして夜毎訪れては墓前で泣く。

どうよ、このホラー感。怖いでしょう。
斬り捨てて颯爽とは立ち去れ無いのだ。
手に負えない小物の暴君。
そんなに悲しむなら殺すなよって話。
やはりドン引きしちゃいました?

「鳴かぬなら逃がしてしまえホトトギス」
って無いのかな。それくらいがいいな。

人生の節目を迎え、そんな自分の気性について、
少々面倒なことを考えたので今回長いです。
よかったら飛ばしてください。

わたしはとてもせっかちだ。
鈍臭いからスローモーに見えるだけで、
じつは何事も寝かせておけない。
読み始めた本も、アイディアも、模様替えも、
迷走する思考も。浮かんだ疑問も。
危険なコトバも。

一晩寝かせれば好転するかもしれない物事を、
しかし寝かせられないのだ。
微動だにしていないように見える時でも、
内側では嵐のような強風が吹いている。

そんなせっかちなので、
すり抜けて行くものによく気をとられる。
そして、こんなところに佇んでちゃダメだ!
わたしも何かせな!と焦りが生じる。
が、そんなふうに周りを気にして、
気負って手を出したものは大概長く続かない。
微風を起こして、ただ、止む。

微風であろうが立てば周りに余波が生ずる。
当てられた側は煩わしいだろう。
煩わしいながらも輪を広げて
受け入れようとしてくれるのである。
恐縮する。

恐縮しつつ、しかし怖ろしい事に
どこか一方で、
早くもその場から去りたい自分がいるのだ。
一人になりたい。

…人と会うのが苦手だ。未だに。
語弊を恐れず言ってしまえば、ひどく面倒だ。
ドライでクールな人間だからでは無い。
むしろ非常にウェットだと断言できる。

見過ぎる。興味津々で。

見る。聞く。共感する。観察する。考察する。
話半分に聞き流すなんてとても出来ない。
疑問が浮かんだらすぐその場で解明したい。
相手の表情や一挙手一投足に気を配り、
さらに内側まで見ようとあがいて目を凝らす。

またせっかちの習性で先読みを試みる。
それがことごとくただの深読みだったりして、
一人でくるくる空回りすることになる。

情報過多。

……ぐったりしてしまうのだ。

しっとりべったりぐったり。

は、早く一人になりたいようと思う。


せ、先生…
半眼を保つのって、思いの外難しいです。

もう、半眼どころか
人と会うときは目を閉じていたい。

不動。

よって無風。

闇雲に空を掴もうとしない。

色即是空。

半眼半眼。

不惑不惑。

…って!
人はなぜ何かを語ろうとすると
宗教っぽくなってしまうのか!

…しかも仏教っぽく!


さ、今宵もホトトギスの墓参りじゃ。

※不惑は孔子の論語。仏教に非ず。







by omifish | 2014-02-05 00:00 | white>black
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