先日、会期中滑り込みセーフで、
東京国立近代美術館に、奈良原一高さんの
『王国』という写真展を見に行ってきました。
『王国』は、1958(昭和33)年に発表された、
北海道の修道院と、和歌山の女性刑務所という
それぞれに隔離された世界を撮影した作品群です。
静かで閉じている好きな世界だったので、
今回は珍しく図録の写真集も購入。
もう一冊は、ちくま文庫の
『驚嘆!セルフビルド建築 沢田マンションの冒険』。
私は知らなかったけど、
高知にある、巨大な自作マンションのことご存知?
4階に釣り堀、五階に水田…って!
古材を使うので、各戸の扉も窓ガラスも全部バラバラ。
間取りもバラバラ。
作り足し、壊し、また創造する。
上へ上へと階層を増やして行く。
まるでブリューゲルのバベルの塔のよう。
物語の中の古い近代都市の下町のようでも、
呼吸する城のようでもある。
そんな、懐かしくも怪しい建物。実在します。