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翔 ぶ 魚

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vol.81 背中に風船ついてますよ?

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「変」ってどういうことなのさ。

何年か前に本人から聞いた話なのだが
学生時代自分が「変」だってことを
周囲に一目瞭然で知らしめるために
背中に風船をつけて登校していた…という知人がいる。

水素で膨らました宙に浮くバルーン。

こう、ヒモの先端部分をジャケットの背中に貼付けて
正面から対峙するとちょうど彼の頭上にふわふわと
ピンクの風船が浮かんでるっていう寸法だ。

…どうなんですか。それは。

彼いわく
そうして最初に先入観を持っておいてもらわないと
後からコミュニケーションに支障が出るんだそうだ。
自分は見た目は平均的だが
言動も思考もちょっと奇抜である。
親しくなって中身が判明してから
人に責められたり疎まれたり…そういうのが面倒くさいと。
だから最初っから予防線を張っていたんだと。

その彼の奇行が本当に己の「エキセントリック」さを
周囲に知らせる危険信号としてだったのか
自称変人の「目立ちたがり」行動だったのかはともかく
ワタシが知り合った頃には
もう風船を着けていない繊細な青年だったので詳細は不明だが
学生時代の彼の友人はどう対応してたのだろう。

「よう!次の講義一緒に出ようぜ!」と
笑顔で近づいてくる彼の頭上にはピンクの風船がふわふわ。

「ここ空いてる?」と学食でうどんののったトレイ片手に
隣に座ってくる彼の背中にはピンクの風船がふわふわ。

「最近彼女が冷たいんだよな…」と深刻な面持ちで
恋愛に悩む彼の顔の横ではピンクの風船がふわふわ。

シュールだ。…中途半端に。
ダメさ加減にくらっとしそうだ。

だって
つけてる本人には背後や頭上は死角だろうが
側にいる友人にとってみたら
常に視界のどこかにピンクの物体がふわふわ。だ。

もはや、彼の顔に向かって話しかけていいのか
その横の風船に向かって話しかけたらいいのか
分からなくなってくるのだ。
中にはパンチングボールに見立ててなぐってる輩や
破裂させようとシャーペンを突き立てる輩がいたって
おかしく無さそうなものだが。
…ワタシならやったと思うよ。
パーン! はっはっは。ってな。

同じ「排他的な自己主張表現」でも
スキンヘッドの頭にタトゥー入れるとか、顔中にピアスとか
いっそ女装とか、常に手首に包帯巻いてるとかなら
その排他的な「触るな危険」(いろんな意味で)
という信号は分かりやすい。
むしろ共感する同志が集まってきて交流が発展するんだろう。
パンクとかさ。女装の集いとか。自殺クラブとか。

でも風船はさぁ。
だって風船だよ?背中から風船ぷかぷかだものなぁ。
意図する信号がねえ…不明瞭ってか難解だよねえ。
危険なの?牧歌的なの?
寄ってきて欲しいの?欲しくないの?
なかなか同じ表現する同志もいないだろうしなぁ。
グループ発展は無理なんだろうなぁ。

と、そんなことを思い出したのは
今日
街中でコートの後ろ首の襟元から
バルーンをふわふわさせているサラリーマンを見かけたからだ。

!!!!!!!
いた!

いたよ!少数派の「風船自己主張主義者」が!
どうする?ワタシ。意図とかインタビューしちゃうのか??!
と、つかの間逡巡していたら
近くのおばさんがさっさと近づき

「背中に風船ついてますよ?」

と、取ってあげてしまった。。。
…お、おばさん。
その人の危うい瞳の光に気付いてないんですか?
その人はおそらく「目立ちたがり」じゃなく「本物」ですよ!
「エキセントリック」な方ですよ!
気を付けて!!!

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今度街中で見かけたら、勇気を出してインタビュー!
by omifish | 2006-12-27 17:25 | white>black
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