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翔 ぶ 魚

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六月十八日 職人気質

久しぶりに不必要に長い。すんません。

パーマを。
パーマをかけるつもりだったのだ。ワタシは。
二週間以上前に予約を入れた時も、今日の受付でも
はっきりこちらの意向は告げたのだ。
パーマをかける気満々でこの日に臨んだのだ。
とどこおり無く美容師がはさみを入れている最中も、
その行為はパーマをかける前哨戦なのだという心づもりだった。
しかし
ついぞワタシの髪にパーマはかからなかった。
美容師の一言
「パーマの必要は無いです。」によって…

話をさかのぼろう。
ワタシは美容院難民だ。
いわゆる行きつけの店は無い。常にいきあたりばったり。
よって失敗もしょっちゅうだ。
しかし来月にはちょっと大事な宴がある。
今失敗するとかなりな痛手だ。
なので今回は知人が全幅の信頼を置く美容師さんを
紹介してもらうことにした。
本来思い立った日に直行したいところを
めずらしく予約して待ちに待った。


カットの天才(知人談)の美容師さんは
己のカット技術に絶大なプライドを持つ美容師さんだった。
まず、店には通常美容院にあるような
ヘアカタログの類いが皆無だ。
客が「こんなイメージでぇ」とかって指標とする
なまぬるい偶像はシャットアウトだ。べらぼうめ。
寿司屋のごとく。
お品書き排除の職人まかせ。

ほほう。
いやしかしね。
イメージを言語で伝えるのは結構危険だよ?
そこら辺の難しさはこちとら経験ありですよ。
個々の感性に誤差があるからね?
とか思いつつも、ワタシなりに伝えてみようとする。
えっと、毛先だけCラインに巻いてさらっとふわっと。
全体的には甘くなりすぎないように大人っぽく。
シャギーとか入れてもらって結構なんで
ここら辺をしゅーっと細くして。
とか。
…聞いちゃあいねえ!
いきなりハサミ入ってるよ!!!

…ま、いっか。
途中でこちらの意向を聞くだろう。
ことさら店員と会話したくないワタシは
結局こちらも持ってきた文庫本に集中。
で、
「えーっと終わりました。パーマの必要は無いです。」
美容師さんのさわやかな声。

ん?
必要??
なぜ
なぜ、ワタシの頭のパーマの是非をあなたが決めるか。
しかも
こちらの事前の希望髪型をろくに聞いてなかったのに。
本から目を上げてしょぼしょぼと
鏡に映るの己の新しき姿を見るワタシを
慈愛に満ちた聖人のごとく微笑みながら見守る創造主。

「パーマの必要は無いです。
 あなたの毛の流れと気の流れを見極めて(本当にそう言った)
 カットをしましたから。」

…ありがとうございます。
…ただ、えーっと。パーマをですね…今日はね…

「必要ありませんねぇ。今が完璧な状態なんで。」

…そうすか。

美容院難民継続中。

by omifish | 2008-06-19 01:50 | white>black
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