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翔 ぶ 魚

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九月二十七日 「アップルの人」など

ここ最近読んだものからの抜粋

・川上弘美 著「此処彼処」 新潮文庫
 著者がかかわってきた色んな土地や場所にまつわるエッセイで、
 ゆるりとした感じの文章が心地よい。
 ワタシは就寝前の枕元本にしていた。
 一話一話が短く、目次で好きな場所や土地を気分で選んで読めるのも楽しい。
 「神様」「センセイの鞄」など、この方の作品は小説も好きなものが多い。
 うっすらと淋しい、憂鬱なのにどこか楽しい、といった微妙な雰囲気が
 にじみ出ているように思う。
 登場する食べものも、ちょっと横からつまみたくなるようなものばかり。

・宮沢章夫 著「アップルの人」 新潮文庫
 Macユーザーとしてのあれこれのエッセイ。
 時期は少しズレているが、同じMacユーザーとして共感するところあり。
 たとえば、MacOSのネコ科シリーズがいつまで続くのか。
 (本書のころは10.4「Tiger」だった。)それがまだ続いてるものな。
 続いてるが…黒豹のあとが雪豹って…
 そろそろいい加減苦しそうだよね、と思ってる方は多いことと思う。
 この方のエッセイはシニカルな視点で淡々と進みつつ、
 いきなりシュールな展開になったりするのでツボにはまるとかなり可笑しい。
 他に著作は「わからなくなってきました」「よくわからないねじ」など。
 ちなみに竹中直人やいとうせいこうの属していた
 ラジカル・ガジベリンバ・システムなどの劇作家さんである。

・伊坂幸太郎 著「終末のフール」集英社文庫
 地球滅亡まぎわの人々の過ごし方をオムニバス形式で描いている小説。
 よくあるテーマだが、この本では滅亡の瞬間は描かれてないので
 余韻が残り、読了後にもあれこれと自分の中で空想がつづいた。
 「重力ピエロ」「死神の精度」「アヒルと鴨のコインロッカー」など
 映像化された作品も多数あるが、どれも本が好きなので観るのは少しこわい。

文庫本ばかりだな。


by omifish | 2009-09-27 19:54 | 本・映画
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